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カフェイン中毒

カフェイン中毒とは

カフェイン中毒は、コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインを過剰に摂取することによって生じる症状です。軽度の場合、動悸、頭痛、不安感、吐き気などが現れますが、重度になると精神錯乱や幻覚、パニック発作を引き起こすこともあります。カフェインの摂取量が多いと、身体がそれに依存し、摂取を減らすと禁断症状が出ることもあります。推奨される1日のカフェイン摂取量は約400mg(コーヒー4杯分)ですが、個人差が大きいため注意が必要です。中毒の治療には、体内からカフェインを排出するための管理が重要です。

急性カフェイン中毒とは

急性カフェイン中毒は、短時間に大量のカフェインを摂取することで発生します。通常、1~3g以上のカフェインを一度に摂取すると急性の症状が現れ、心拍数の増加や興奮、不安、震え、吐き気などが見られます。重症の場合は、精神錯乱や痙攣などの危険な状態になることもあります。このように、急性中毒は迅速な症状の発現と重篤な影響が特徴です。


コーヒー何杯で
カフェイン中毒がおこる?

カフェイン中毒は、過剰なカフェイン摂取によって引き起こされる症状で、個人差はありますが、一般的には1日に400mg(コーヒー約4杯分)を超えるとリスクが高まります。急性中毒は短時間に8〜10杯のコーヒーを飲むことで発症する可能性があります。致死量はおおよそ5〜10gとされ、コーヒーで換算すると約70杯に相当します。しかし、通常の生活ではこの量を一度に摂取することは難しく、カフェイン錠剤やエナジードリンクに注意が必要です。


カフェインが含まれる飲み物

飲み物 100mlあたりの
カフェイン含有量
コーヒー
(ドリップコーヒー)
約60mg
コーヒー
(エスプレッソ)
約212mg
紅茶 約30mg
緑茶(煎茶) 約20mg
ウーロン茶 約20mg
ほうじ茶 約20mg
玄米茶 約10mg
エナジードリンク 36~150mg程度
※製品により異なる
コーラ飲料 約13mg

カフェイン中毒(カフェインを摂り過ぎたとき)の症状

  • 神経が高ぶり、落ち着かなくなる
  • 過剰な緊張や不安を感じる
  • 心拍数が増加し、心臓がドキドキする(動悸)
  • 頭痛がする
  • 吐き気や嘔吐など消化器系に影響が生じる
  • 腸の動きが活発になり下痢になる
  • 手や体が震える
  • 眠れなくなる、または睡眠の質が低下する
  • 立ちくらみやふらつきを感じる
  • 筋肉が収縮し、けいれんを引き起こす

など


カフェイン離脱とは

カフェイン離脱は、長期間にわたりカフェインを摂取していた人が、突然摂取を中止したり減量したりすることであらわれる不快な症状です。通常、カフェインを最後に摂取してから12~24時間後に症状が始まり、1~2日後にピークを迎えます。主な症状には、頭痛、倦怠感、不安、集中力の低下、吐き気などがあります。これらの症状は通常2~9日間続きますが、頭痛は最大21日間まで持続することがあります。離脱症状を軽減するためには、カフェインの摂取量を徐々に減らすことが推奨されます。再びカフェインを摂取すると、症状は短時間で改善されることが多いです。


カフェイン中毒は何日で治る?

カフェイン中毒の症状は、通常、摂取を中止してから12~24時間後に現れ、ピークは1~2日後となります。離脱症状は一般的に2~9日間続くことが多いですが、個人差があります。頭痛や倦怠感、不安感、集中力の低下などが見られることがあり、これらの症状は最大で21日間続くこともあります。カフェインを急に中断するのではなく、徐々に摂取量を減らすことで離脱症状を軽減することが推奨されています。基本的には、カフェイン摂取をやめてから約7日程度で症状が収まることが多いです。


カフェイン中毒の
予防・対策方法

カフェイン中毒を予防するためには、以下の対策が重要です。まず、1日のカフェイン摂取量を400mg(約4杯のコーヒー)に制限することが推奨されます。特に、エナジードリンクやカフェインを含む医薬品との併用は避けるべきです。また、カフェインに敏感な人や妊婦は、さらに摂取量を減らすことが求められます。飲み物のラベルを確認し、カフェイン含有量を把握することも大切です。定期的に水分を摂取し、体内からカフェインを効率的に排出することも効果的です。最後に、自分の体調や気分に注意を払い、異常を感じた場合は早めに摂取を控えるよう心がけましょう。

  1. 摂取量の上限を守る(成人400mg/日)

  2. 感受性が高い人(不眠傾向の人など)は制限する

  3. 製品ラベルを確認(特にエナジードリンク・錠剤)

  4. カフェインの摂取後は水分をしっかり取る

  5. 急にやめず、少しずつ減らす

 

カフェイン依存とは?

「カフェイン依存」はまだ正式な精神科の診断名としては認定されていませんが、臨床的に問題として認識されており、将来的に診断カテゴリに加わる可能性があります。

カフェイン依存(Caffeine Use Disorder)の仮診断基準

以下の基準に3つ以上当てはまる場合、依存の可能性が高いとされます(DSM-5草案より):

    1. 摂取量や時間が意図より増えてしまう

    2. 減量や中止の試みに失敗している

    3. カフェインの摂取に多くの時間を費やす

    4. 減らすと頭痛・倦怠感などの離脱症状が出る

    5. 健康上の悪影響(不眠、高血圧、不安症状など)があるのに摂取をやめられない

    6. 摂取を優先して社会・職業・家庭生活を犠牲にしている

カフェインに依存が起こる科学的な証拠は?

近年のレビューやメタアナリシスにより、

  • カフェインは報酬系(ドーパミン系)を軽度に刺激すること

  • 慢性的使用で耐性と離脱症状が成立すること

  • 特に10代~30代の高頻度摂取者に「やめたくてもやめられない」「やめるとつらい」という報告が多いこと

…などから、軽度〜中等度の依存性は科学的に支持されているとされます(例:Juliano et al., 2004; Meredith et al., 2013)。

臨床的に見ると「カフェイン依存」とは…

  • エナジードリンクやカフェイン錠剤をやめられない

  • 毎朝のコーヒーを抜くと頭痛がして仕事にならない

  • 不眠や動悸があるのに飲まずにいられない

対応方法:医師の視点から

  • 1日400mg未満に抑える(成人)

  • 少しずつ減らす(急にやめない)

  • 無カフェイン飲料に置き換える(デカフェ・麦茶など)

  • カフェイン摂取が「ルーチン化」「ストレス対処」になっている場合は心理的アプローチも検討

まとめ

カフェインは適度な摂取で集中力や覚醒度を高める一方、過剰に摂ると中毒や依存のリスクがあります。
特にエナジードリンクやカフェイン錠剤を併用する場合は注意が必要です。日頃から摂取量に気をつけ、体調に異変を感じたら早めに控えましょう。