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ザズベイとは?うつ病の新しい治療薬をわかりやすく解説(新薬の特徴と注意点)

お薬の解説  / 抗うつ薬

ザズベイとは

ザズベイは、ズラノロンを有効成分とするアロプレグナノロン様GABAA受容体機能賦活剤です。日本ではうつ病・うつ状態に対して承認されており、通常は30mgを1日1回、14日間、夕食後に服用します。SSRIやSNRIなどの従来の抗うつ薬とは異なる作用機序をもつ一方で、再燃・再発予防のために漫然と続ける薬ではなく、抑うつ症状がある時期の急性期治療に用いる薬として位置づけられています。

最初にお伝えしたいこと

本ページは、ザズベイという新薬の一般的な説明を目的としたもので、診察なしに適応を判断したり、当院での処方を前提にご案内したりするものではありません。当院はクリニックとして、現時点ではザズベイの処方に慎重な立場です。実際に候補となるかは、症状像、診断の確からしさ、双極性障害の可能性、生活背景、副作用リスクなどを個別に確認して判断します。

本ページは、PMDA電子添文PMDA掲載の適正使用ガイド塩野義製薬の医療関係者向け情報をもとに、患者さんにもわかりやすい形で整理したものです。

前もってお伝えしたいこと

  • 本ページは新薬ザズベイの一般的な説明であり、当院での積極処方を前提とするものではありません
  • 当院はクリニックとして現時点では処方に慎重な立場です
  • ザズベイはうつ病・うつ状態の急性期治療に使う薬です
  • 通常は30mgを1日1回、14日間、夕食後に服用します
  • 再治療は6週間以上の間隔をあけて検討します
  • 他の抗うつ薬への上乗せ効果は示されていません
  • 比較的よくみられる副作用として、眠気、めまい、悪心、下痢、口渇などがあります
  • 運転は避ける妊婦または妊娠している可能性のある女性には使わないなどの重要な注意点があります

ザズベイについて、このような疑問がある方はご覧ください

「新しい作用機序の薬と聞いたが、どんな薬なのか知りたい」「2週間で終わる薬とはどういう意味か」「今の抗うつ薬とどう違うのか」「眠気や運転への影響が心配」「自分の症状に合うのかを受診前に整理しておきたい」といった場合は、添付文書や適正使用ガイドに沿って情報を確認しておくことが大切です。


ザズベイが気になる方へ

読んでほしい方

  • 気分の落ち込み、意欲低下、興味や喜びの低下が続いている方
  • 従来のSSRIやSNRIとは異なる作用機序の治療薬について知りたい方
  • 長期に毎日続ける薬とは別に、急性期に14日間で評価する治療を知りたい方
  • 副作用や運転への注意、今飲んでいる薬との関係を事前に整理したい方
  • 他院で治療中だが、薬の見直しやセカンドオピニオンを検討している方

当院は現時点で処方に慎重な立場です

ザズベイは新しい作用機序をもつ薬ですが、本ページはあくまで一般的な説明です。当院はクリニックとして現時点では処方に慎重な立場であり、記事掲載そのものが積極的な導入を意味するわけではありません。特に、診断が今後見直されうる症例や症状が複雑な症例では、まず診断の見立てと治療全体の設計を優先して検討します。

慎重な判断が必要なこともあります

ザズベイの適応は「うつ病・うつ状態」ですが、承認時の中心データは、DSM-5で大うつ病性障害と診断された外来患者を対象にした国内第Ⅲ相試験です。試験では、双極性障害や統合失調症スペクトラム、物質使用障害、治療抵抗性うつ病、ECTやTMSなどの既治療例、睡眠時無呼吸症候群などは除外されていました。症状が複雑な場合や、経過の中で診断の見直しが必要になる可能性がある場合には、より慎重に適応を考える必要があります。

当院で大切にしていること

  • 原則として同じ担当医が継続して診療し、症状と副作用の経過を丁寧に確認します
  • 精神保健指定医を含む経験豊富な医師が、処方の適否を慎重に判断します
  • 公認心理師・臨床心理士との連携により、薬だけに偏らない治療を行います
  • 国分寺駅南口から徒歩約30秒、土曜・祝日・夜間診療にも対応し、継続通院しやすい体制です

受診を考えている方へ

気分の落ち込みが続き、受診を迷っている方へ

気分の落ち込み、意欲低下、眠れない、食欲が落ちる、不安が強いといった症状が続くときは、薬の名前だけで判断するのではなく、まず症状の経過、睡眠、生活背景、これまでの治療歴、双極性障害の可能性などを整理することが大切です。なお、本ページは新薬の一般的な説明であり、当院でのザズベイ処方を前提とした案内ではありません。当院では、落ち着いてご相談いただけるよう、初診・再診ともに完全予約制です。診療の流れは初めての方へもあわせてご覧ください。

薬物療法・心理療法について相談したい方へ

まだ受診するか迷っている段階でも、「薬を使うべきか迷う」「心理療法やカウンセリングも含めて相談したい」「今の診断や治療方針を整理したい」といったご相談は可能です。ザズベイに限らず、現在の症状像に対してどのような治療選択肢があるかを、薬物療法、心理療法、休養や環境調整も含めて診察の中で一緒に考えていきます。


ザズベイの効果・適応

日本での適応

ザズベイの添付文書上の適応は、うつ病・うつ状態です。気分の落ち込み、意欲低下、楽しめなさなどの抑うつ症状がみられる時期に、急性期治療の選択肢として検討されます。

再燃・再発予防のために続ける薬ではありません

ザズベイは、抑うつ症状が認められる患者さんの急性期治療に用いる薬です。抑うつ症状が寛解または回復した後の再燃・再発予防を目的とした維持期治療として漫然と続ける薬ではない点が、一般的な毎日内服する抗うつ薬と大きく異なります。

他の抗うつ薬への上乗せ薬としては位置づけられていません

添付文書と適正使用ガイドでは、他の抗うつ薬へのザズベイの上乗せ効果は示されていないとされています。そのため、他の抗うつ薬で治療中の患者さんに急性期治療として用いる場合は、まずザズベイ単剤での治療を検討する位置づけです。


ザズベイの作用機序

GABAの働きを高める薬です

ザズベイは、脳内の抑制性神経伝達に関わるGABAA受容体に作用するポジティブアロステリックモジュレーターです。患者さん向けには、「脳の興奮をしずめる方向の働きを助ける薬」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

SSRIやSNRIとは異なるタイプの抗うつ薬です

SSRIやSNRIは主にセロトニンやノルアドレナリンの働きを調整する薬ですが、ザズベイはそれとは異なる経路に作用します。新しい作用機序であることは特徴ですが、その一方で、GABAA受容体に作用するため、眠気やめまい依存・乱用の可能性への注意が必要とされています。


飲み方(30mgを14日間、夕食後)

通常は30mgを1日1回、14日間、夕食後に服用します

添付文書上は、通常、成人にはズラノロンとして30mgを1日1回14日間夕食後に経口投与します。毎日の量を少しずつ増やしていく薬ではなく、原則として固定用量・固定期間で服用する薬です。

自己判断で延長したり、飲み忘れ分をまとめて飲んだりしないことが大切です

適正使用ガイドでは、14日間の服薬期間を厳守することが求められています。飲み忘れた分を後から追加でまとめて服用したり、自己判断で期間を延長したりすると、安全性の面でも問題が出るおそれがあります。

再治療には6週間以上の間隔が必要です

ザズベイによる治療を再度行う場合には、投与終了から6週間以上の間隔をあける必要があります。依存形成リスクへの配慮もあり、効果が不十分だからといって短い間隔で繰り返し使う薬ではありません。


ザズベイはいつから効く?

まずは14日間の投与後に効果を判定していきます

ザズベイの国内第Ⅲ相単剤試験では、14日間投与終了後(15日時点)のHAM-D17合計点の変化量を主要評価項目として有効性が評価され、プラセボに対する優越性が示されました。日単位で評価しながら細かく増減する薬というより、まずは2週間の投与を終えて反応をみる薬と理解するとわかりやすいでしょう。

効果の出方には個人差があります

実際の治療では、気分の落ち込みだけでなく、睡眠、食欲、活動性、日中の過ごしやすさ、不安や焦燥の変化などを含めて総合的に判断します。開始後は、効果だけでなく眠気やめまいなどの副作用も確認しながら、治療方針を一緒に考えていくことが大切です。


副作用(眠気・めまい・吐き気)

比較的よくみられる副作用

添付文書では、比較的よくみられる副作用として、傾眠(20.0%)めまい(12.6%)、悪心、下痢、口渇・口内乾燥などが記載されています。患者さんがもっとも気にされやすいのは、やはり眠気とふらつきです。

重大な副作用として錯乱状態があります

重大な副作用として、錯乱状態が記載されています。せん妄や失見当識のように、会話がまとまらない、時間や場所がわからない、普段と様子がかなり違うといった症状がみられる場合は、早めの対応が必要です。

強い眠気やふらつきがある場合は早めにご相談ください

RMPでは、傾眠・めまい等に加え、過度の鎮静が重要な安全性上の懸念として扱われています。強い眠気、ふらつき、ぼんやりする感じが強い場合は、自己判断で続けず、早めに主治医へご相談ください。


注意事項(運転・妊娠・併用薬)

服用中は自動車の運転など危険を伴う作業を避けます

添付文書では、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意することとされています。単に「注意して運転する」ではなく、運転そのものを避ける方向で説明されている点が重要です。

妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与できません

妊婦または妊娠している可能性のある女性は禁忌です。また、妊娠する可能性のある女性には、投与中および最終投与後1週間の避妊について説明する必要があります。授乳中の方では、治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮して、授乳継続または中止を検討します。

飲酒や併用薬にも注意が必要です

ザズベイは主にCYP3Aで代謝されるため、強いCYP3A阻害薬(イトラコナゾール、クラリスロマイシンなど)や強いCYP3A誘導薬(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトインなど)に注意が必要です。また、ベンゾジアゼピン系薬、ミルタザピン、三環系・四環系抗うつ薬などの中枢神経抑制薬や、アルコールとの併用では中枢神経抑制作用が強まるおそれがあります。

双極性障害の可能性、精神症状、呼吸障害などがある方は慎重な判断が必要です

添付文書では、双極性障害患者では躁転や自殺企図、統合失調症の素因や衝動性の高い併存障害、脳器質性障害では精神症状の増悪に注意が必要とされています。また、睡眠時無呼吸症候群や中等度以上の呼吸障害では呼吸抑制のおそれがあり、腎機能障害、重度肝機能障害、高齢者でも副作用に注意が必要です。


治療後の流れ(再投与・切替)

14日間でいったん飲み切り、その後の方針を考えます

ザズベイは、飲み始めたらそのまま何か月も続ける薬ではありません。14日間の服薬を終えたあとに、症状の改善具合、副作用、日常生活のしやすさ、患者さんの希望を確認し、次の方針を決めていきます。

再治療は「寛解または回復した後に再燃・再発した場合」に検討します

添付文書では、ザズベイを再度使うのは、14日間投与で寛解または回復した後に再燃・再発が認められた場合に限って検討し、しかも投与終了から6週間以上の間隔をあけるとされています。繰り返し使っても再燃・再発する場合は、漫然と同じ治療を反復せず、他の治療法を検討します。

改善が乏しい場合は他の治療へ切り替えます

14日間投与後に十分な改善がみられない場合や、投与終了から6週間未満に症状が悪化して薬物療法が必要になった場合には、添付文書上はザズベイを再度行わず、他の抗うつ薬による治療などを検討するとされています。適正使用ガイドでは、休薬期間内でも他の抗うつ薬へ切り替えることは可能と整理されています。


当院での薬物療法の考え方

まずは新薬の一般的な説明としてお読みください

本ページは、ザズベイという新薬の特徴を添付文書や適正使用ガイドに基づいて整理した一般的な説明ページです。実際の診療では、記事の内容だけで処方を決めるのではなく、診断の確からしさ、症状の重さ、既治療、生活背景、安全性を個別に確認して判断します。

当院は現時点でザズベイ処方に慎重な立場です

ザズベイは新しい作用機序をもつ薬ですが、当院はクリニックとして、現時点ではこの薬を広く積極的に使う段階とは考えていません。本ページも、導入を勧めるためではなく、患者さんやご家族が新薬の特徴と注意点を整理するための一般的な情報提供を目的としています。

導入前に適応を丁寧に見極めたい薬です

承認時の中心データは、DSM-5で大うつ病性障害と診断された外来患者を対象にした国内第Ⅲ相試験です。試験では、双極性障害や統合失調症スペクトラム、物質使用障害、治療抵抗性うつ病、ECTやTMSなどの既治療例、睡眠時無呼吸症候群などは除外されていました。このため実臨床では、診断の確からしさ、症状の複雑さ、既治療、安全性を含めて、適応を広げすぎず慎重に考える必要があると当院では捉えています。

診断が今後見直される可能性がある場合は、より慎重に考えます

軽躁歴を疑う所見、焦燥や易刺激性が目立つ、精神病性症状が混じる、衝動性が高いなど、経過の中で診断の見直しが起こりうる場合には、導入判断をより慎重に行いたい薬です。添付文書上も、うつ症状を呈する患者では軽躁・躁病等に注意が必要で、双極性障害患者では躁転が警告されています。さらに、ザズベイは30mgを14日間服用する固定設計で、他の抗うつ薬への上乗せ効果は示されていないため、開始前の見立てがより重要になります。

改善が乏しい場合は他の治療を検討します

一方で、改善が乏しい場合には他の抗うつ薬など別の治療法を検討するとされており、適正使用ガイドでも休薬期間内の切替は可能と整理されています。当院としては、「変更できない薬」というより、開始前の診断仮説と治療全体の設計を丁寧に確認したうえで使うべき薬と理解しています。

薬だけに頼りすぎない治療を大切にしています

ザズベイを使うかどうかにかかわらず、休養、環境調整、生活リズムの見直し、心理教育、必要に応じた睡眠薬の調整、公認心理師・臨床心理士によるカウンセリングなどを組み合わせながら治療を進めます。薬で土台を整えつつ、生活面や考え方の負担も一緒に見直していくことが回復につながることがあります。

他院で治療中の方のご相談も可能です

「今の薬が自分に合っているかわからない」「新薬について一般的な説明を聞いたうえで治療全体を考えたい」「症状の診断そのものを見直したい」といったご相談にも対応しています。紹介状がなくても受診できますが、お薬手帳や紹介状をお持ちの場合はご持参ください。


このような症状・お悩みがある方へ

  • 気分の落ち込みや意欲低下で、仕事・学校・家事に支障が出ている
  • 受診するほどか迷っているが、うつ症状について一度相談したい
  • 薬物療法を検討したいが、副作用や治療の進め方が心配
  • カウンセリングや心理療法も含めて治療方針を考えたい
  • 双極性障害の可能性や診断の見立てについても整理したい
  • 今の治療が自分に合っているかを見直したい

緊急性が高い場合について

自傷のおそれが強い、急性の興奮や錯乱がある、強い眠気で呼びかけへの反応が悪い、けいれんや失神があるなど、緊急対応が必要な場合は、救急要請や救急医療機関の受診をご検討ください。


よくある質問(FAQ)

ザズベイは何の薬ですか?

ザズベイは、ズラノロンを有効成分とするアロプレグナノロン様GABAA受容体機能賦活剤で、日本の添付文書上は、うつ病・うつ状態に使われます。

ザズベイは何日飲む薬ですか?

通常は30mgを1日1回、14日間、夕食後に服用します。長期に漫然と続ける薬ではなく、まず14日間でいったん評価する薬です。

今飲んでいる抗うつ薬に足して使えますか?

添付文書と適正使用ガイドでは、他の抗うつ薬への上乗せ効果は示されていないとされています。そのため、急性期治療としてはザズベイ単剤による治療を検討する位置づけです。

眠くなりますか?

はい。傾眠は比較的よくみられる副作用で、添付文書では20.0%と記載されています。めまいも12.6%みられるため、日中のふらつきやぼんやり感がある場合は早めにご相談ください。

服用中に車の運転はできますか?

添付文書では、服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意するとされています。実際には、運転は避ける前提で考えるのが安全です。

妊娠中や妊娠の可能性がある場合は使えますか?

妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与できません。妊娠する可能性のある女性には、服用中および最終投与後1週間の避妊について説明が必要です。

14日で十分に効かなかった場合、もう一度飲めますか?

14日間投与後に改善が乏しい場合や、投与終了後6週間未満に症状が悪化した場合には、添付文書上はザズベイを再度行わず、他の抗うつ薬など別の治療法を検討するとされています。

ザズベイは誰にでも使いやすい薬ですか?

新しい作用機序の薬ですが、誰にでも同じように使いやすいわけではありません。双極性障害の可能性、精神症状、強い焦燥や衝動性、呼吸障害などがある場合には、より慎重な判断が必要です。

このページに載っているということは、当院で積極的に処方していますか?

いいえ。本ページは新薬ザズベイの一般的な説明であり、当院が現時点で積極的に処方していることを意味するものではありません。当院はクリニックとして現時点では処方に慎重な立場で、実際に候補となるかは診断の見立てや症状像を丁寧に確認して判断します。

まだ受診するか迷っている段階でも相談できますか?

はい、可能です。うつ症状が続いていて受診を迷っている段階でも、薬物療法を検討するか、心理療法やカウンセリングをどう組み合わせるか、現在の診断や治療方針をどう考えるかといった点を診察で整理できます。


最後に

本ページは、ザズベイという新薬の一般的な説明を目的としたものです。当院はクリニックとして現時点では処方に慎重な立場であり、記事掲載がそのまま積極処方を意味するものではありません。ザズベイは、うつ病・うつ状態に対する新しい作用機序の治療薬ですが、「誰にでも同じように合う薬」ではありません。運転への制限、妊娠への注意、他の抗うつ薬への上乗せ効果が示されていないこと、再投与のルールなど、事前に理解しておきたいポイントも多い薬です。気分の落ち込みや意欲低下が続き、受診を迷っている方や、薬物療法・心理療法を含めて治療全体を整理したい方には、診察の中で現在の症状と治療方針を一緒に考えていくことが大切です。診療のご案内は以下をご参照ください。