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コラム:時間の“複利効果”で こころと生活をととのえる

心のコラム

はじめに

貯金の利息が利息を呼ぶ“複利”の仕組みは、私たちの時間にも応用できます。 仕事机を1分で整える、SNSチェックを1日2回に絞る――そんな小さな工夫で生まれた余白を次の工夫に再投資すると、時間とこころの両方に雪だるま式のメリットが積み上がります。 本コラムでは時間の複利効果を引き出すコツと、その医学的背景を解説します。


時間の複利とは?

  • 余白=投資元本
    1日10分のムダを削減 → 年60時間の自由時間に。
  • 再投資=次の改善
    浮いた時間を整理術や学習に充てれば、翌年にはさらに大きな余白が。
  • こころの複利
    「やるべきこと」が減ると交感神経の緊張が低下し、集中力が回復。 改善に取り組むエネルギーが増える好循環が起こります。

ストレス医学から見たメリット

工夫例 ストレス反応への影響 期待できる効果
机を毎日1分で整える 視覚刺激↓ 集中力↑/疲労感↓
メールを2時間ごとにまとめ読み マルチタスク回避 心拍変動↑(リラックス)
用事を「やること/考えること」に分ける 前頭前野の情報整理 漠然とした不安↓

今日から始める“小さな投資”

“15秒ルール”

帰宅後すぐに鍵・カバンを定位置へ。翌朝の探し物5分を節約。

“1タップ自動化”

スマホのウィジェットに診察予約や電気代支払いのショートカットを追加。

“ながら呼吸法”

エレベーター待ち30秒で腹式呼吸×5回。待ち時間を副交感神経の活性化に変換。


複利サイクルを回すコツ

  • 効果の見える化:カレンダーに⭕/❌を付け、累積時間を月末に合計。
  • +αを再投資:浮いた時間の半分は休息、残りを新しい工夫に。
  • スモールステップ+ご褒美:CBTの行動活性化と同じループで継続しやすい。

注意点とサポート

完璧主義は逆効果:“60%主義”でOK。

うつ・不安が強いときは専門家へ:治療的アプローチが先決。

伴走者をつくる:家族・同僚・カウンセラーと進捗共有すると継続率↑。


まとめ

少しの余白がさらに大きな余白を生む――時間の複利効果は心にも作用する強力なレバレッジです。

ちょうどいい活動量・忙しさを決めるのは難しいですが、今週やったこと今月やったことを、来週・来月に効率化して、余力を休憩やさらなる効率化を図ることに使ったりできる程度に抑えるというのは一つの目安かもしれませんね。

まずは15秒の片づけ30秒の深呼吸から始めてみませんか。 行き詰まった際や不調が続くときは、国分寺イーストクリニックまでお気軽にご相談ください。


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