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週末の寝だめ、実は「1時間ちょっと」がちょうどいい?—認知症リスクとキャッチアップ睡眠の研究

金曜の夜、気が抜けてつい夜更かし。
土曜は昼近くまで寝てしまって、「これで平日の寝不足はチャラ!」…と言いたいところですが、寝だめって本当に体にいいのでしょうか。

今回は、週末の寝だめ(キャッチアップ睡眠)と認知症の発症リスクの関係を調べた研究をもとに、「寝だめの“やり方”」をわかりやすくまとめます。

 

■ まず結論:週末に“ちょい足し”するなら「1〜1.5時間」が目安
研究でいちばん印象的だったのはここです。

週末の睡眠が平日より
・1〜1.5時間だけ長い人
このグループで、認知症の発症リスクが低い傾向が見られました。

逆に、
・週末に2時間以上がっつり寝だめ
・週末が平日とほぼ同じ(差が小さい)
こうしたグループでは、はっきりした差が出にくい結果でした。

「寝だめは長いほど正義」ではなく、ほどほどが良いかもしれない。そんな示唆です。

 

■ どんな研究?—自己申告じゃなく“腕時計型センサー”で睡眠を測った
この研究は、UKバイオバンクという大規模データを使った前向き研究です。

ポイントは、睡眠をアンケートではなく、腕に付ける活動量計(加速度計)で7日間測っていること。
「だいたい何時間寝ています」ではなく、客観的に近い形で睡眠時間を推定しています。

50歳以上の認知症がない方を対象に、約8年追跡して、認知症を発症したかどうかを見ています。

 

■ もうひとつ大事:平日が短めの人ほど“効きやすい”
面白いのはここです。

平日の睡眠が8時間未満の人(=「いつもは寝不足寄り」)では、週末に1〜1.5時間だけ多めに寝る人で、リスク低下の関連がよりはっきりしていました。

一方、平日から8時間以上寝ている人では、週末の寝だめと認知症リスクの関連ははっきりしませんでした。

つまり、週末の寝だめは「誰にでも効く万能薬」ではなく、睡眠が足りていない人の“補正”として意味が出やすい可能性があります。

 

■ ただし誤解注意:「寝だめで帳消し」とは言っていない
ここは大切なので先に書きます。

この研究が示しているのは「関連」であって、
「週末に寝だめすれば認知症が防げる」と断言できるものではありません。

寝だめが多い人は、そもそも平日が忙しすぎる/ストレスが強い/体調が悪い/睡眠の質が低い(いびき・無呼吸など)…といった別の要因を抱えていることもあります。

寝だめが必要な生活そのものを、少しずつ整える視点が欠かせません。

 

■ 寝だめを“味方”にするコツ(今日からできる範囲でOK)
1)週末の寝だめは「+1〜1.5時間」を目安に
いきなり昼まで寝るより、“ちょい足し”くらいが現実的です。

2)できれば「朝寝坊」より「少し早寝」で取り戻す
起床時刻が大きくズレると、月曜がつらくなりやすいです。
可能なら、週末だけでも就寝を少し早めるほうがリズムは崩れにくくなります。

3)「夜更かし→寝だめ」のセットを作らない
寝だめが増える一番の原因は、実は夜更かしです。
週末に1時間足すなら、夜更かしで2時間削らない。ここがコツです。

4)平日の睡眠を“10〜15分ずつ”でも増やす
週末で大きく取り戻すより、平日のベースを底上げしたほうが安定します。
寝る前のスマホ時間を少し削る、入浴を早める、朝の光を浴びる…小さな工夫で十分です。

 

■ こんな場合は「寝だめ」で済ませず相談を
・寝ても寝ても日中の眠気が強い
・いびき、息が止まると言われる
・寝つけない/途中で目が覚めるのが続く
・生活リズムがどんどん夜型にずれて戻らない
・物忘れが増えた気がして不安

睡眠の問題は、気分の不調やストレス、生活習慣、睡眠時無呼吸などが絡むことがあります。
気になる症状が続くときは、放置せず相談してください。

国分寺イーストクリニックでは、不眠や生活リズムの乱れ、ストレスと睡眠の問題について、状況を整理しながら一緒に整え方を考えていきます。

 

■ まとめ
・週末の寝だめは「長いほど良い」ではなさそう
・研究では「週末+1〜1.5時間」の人で認知症リスクが低い関連
・特に「平日が短め(8時間未満)」の人で関連が強め
・夜更かしを固定化せず、平日の睡眠を少しずつ増やすのが結局いちばん堅実

寝だめをゼロにするより、うまく使う。
“週末に1時間ちょい足し”から始めてみるのも一つの手です。