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地震報道ストレスで不安が強いときの整え方|国分寺イーストクリニック

「また地震?」「速報を見ると落ち着かない」
気づけばスマホを握ったまま、心臓がドキドキして眠れない…。
今週も地震の情報に触れる機会があり、同じように不安が強まった方もいるかもしれません。
この記事では、地震のニュースで心と体が反応する仕組みと、今日からできる整え方をまとめます。

 

■ まず整理:混同されやすいポイント

  • 不安(危険のサイン)不安(体の警報):不安は「危険そのもの」ではなく、体が身を守ろうとして鳴らすアラーム(警報)として強く出ることがあります。
  • 備える(現実的な準備)確認し続ける(不安を下げるための繰り返し行動):備えは安心につながりますが、確認が止まらないと疲労が増えがちです。
  • 情報収集(判断のため)反すう(同じ情報を追いかけて消耗する):必要な情報は少量で足りるのに、脳が「まだ足りない」と感じて追いかけ続けることがあります。

 

■ 今週の出来事と心の不調がつながる“よくある道筋”

地震関連のニュースに触れたとき、心と体はこんな順で反応しやすいです。

  1. 出来事(ストレッサー):速報・揺れの映像・被害の見出し・知人からの話題など
  2. 頭の中の反応(考え):「また起きたらどうしよう」「備えが足りないかも」「家族が危ないかも」
  3. 体の反応(自律神経/睡眠):交感神経が優位になり、動悸、息苦しさ、胃の不快感、寝つきの悪さ・浅い眠りが出やすい
  4. 行動(回避/過集中):ニュースを何度も確認、SNSのコメントまで読み込む、外出を避ける、予定をキャンセル…など

ここまでの反応は、身を守るための自然な反応でもあります。
ただ、強さや頻度が上がって日常が回りにくくなると、「不安のループ」が続いてしまうことがあります。

 

■ こんなサインが出たら“整え直し”のタイミング

  • 寝つけない、夜中に何度も目が覚める
  • 地震関連の情報を何度も確認してしまい、止めづらい
  • 動悸・息苦しさ・胃の不快感が増える
  • 仕事/家事/学業のミスが増える、集中が続かない
  • イライラや涙もろさが増え、家族に当たりやすい
  • 食欲が落ちる(または甘いものが止まらない)
  • 頭痛・肩こり・めまいなど体の不調が重なる

これらが1〜2週間以上続く、または急に強く出て日常に支障が出るときは、「整え直し」を意識してみてください。

 

■ 今日からできる工夫(続けやすいこと)3つ

1つ目は、情報の『窓』を作ること。チェックする媒体を2つ程度に絞り、見る時間を「朝と夕方の10分」など固定します。通知やタイムラインの自動再生はOFFにして、必要なときだけ自分から見に行く形へ。胸がザワついたら一度画面を閉じ、深呼吸してから再開でOK。コメント欄やまとめ動画は刺激が強いことがあるので、必要がなければスルー。就寝前1時間は確認を避けると、眠りの質が守られやすくなります。できる日だけで十分です。

 

2つ目は、体から先に落ち着かせること。

不安は「考え」だけでなく自律神経の高ぶり(動悸、息苦しさ、胃のムカムカ)として出ます。おすすめは、

①ゆっくり息を吐く(吸うより長く)を1分、

②足裏の感覚を確かめる、

③肩回しや軽い散歩など小さな運動。起床時刻だけは毎日ほぼ同じにすると、夜の眠気が戻りやすくなります。午後のカフェインを控えめにし、寝る前は画面を暗くして光を減らすのもコツ。できる範囲で大丈夫です。1日だけでもOK。

 

3つ目は、不安を『備え』に置き換えること。

頭の中で何度も最悪を想像すると疲れますが、現実の行動に小さく移すと落ち着きやすい人もいます。例えば「非常持ち出しの期限切れを1つだけ確認」「家族の連絡方法をメモ」「寝室に懐中電灯を置く」など、10分で終わるものを1つで十分。終わったら『今日はここまで』と区切りをつけましょう。家族がいる場合は、役割分担や集合場所を“ざっくり”話しておくと、確認行動の連鎖が減ることがあります。

 

■ よくある誤解:頑張り不足ではありません

地震の情報に反応して不安が強くなるのは、性格の弱さや頑張り不足ではありません。
脳と体が「安全を確かめよう」と働いた結果、アラームが鳴り続けている状態のことがあります。
回復には波があって自然です。

 

■ 相談の目安(放置しないほうがいいサイン)

  • 不眠や強い不安が2週間以上続く
  • 動悸・息苦しさ・過呼吸のような症状が増えて、外出や仕事に支障が出る
  • 食事がとれない/体重が急に落ちる(または過食が止まらない)
  • 欠勤・欠席が増える、家事が回らない
  • お酒や市販薬、カフェインで「しのぐ量」が増えている
  • 以前のつらい体験がよみがえる(フラッシュバックのように感じる)
  • 家族関係が悪化し、衝突が増える
  • 「消えてしまいたい」など自分の安全が保てないほどの気持ちが出てくる

このようなサインがあるときは、早めに医療機関や相談窓口に相談してください。
もし自分や周囲の安全が心配なときは、一人にしない・安全を確保することを優先し、緊急時は救急要請も含めて速やかに対応してください。相談先としては、地域の精神保健福祉センターや、全国共通の公的相談(例:こころの健康相談統一ダイヤル等)も選択肢になります。

 

■ 受診すると何が変わる?(受診の中身を具体化)

受診ではまず、睡眠・不安・身体症状(動悸や胃腸症状など)・生活リズムを整理し、「何が引き金で、何が長引かせているか」を一緒に確認します。
必要に応じて、身体の病気や薬の影響が隠れていないかも見ます。
その上で、情報の扱い方、呼吸や注意の向け方、生活調整などの具体策を立て、状況によっては心理療法や薬物療法も含めて検討します(効果は個人差があります)。

 

■ まとめ

  • 地震のニュースで不安が強まるのは、体の警報が働く「自然な反応」のことがあります
  • 情報は「見ない」より「見方を決める(窓を作る)」が現実的です
  • 体から落ち着かせる工夫(呼吸・軽い運動・起床時刻の固定)が助けになります
  • 不安は「10分の備え」に置き換えると区切りがつきやすいです
  • つらさが続くときは、早めに相談して大丈夫です
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FAQ

  1. 地震速報を何度も確認してしまいます。やめた方がいいですか?
    A. 『確認しない』を目標にするより、見る回数と時間を決めるのがおすすめです。信頼できる情報源に絞り、就寝前1時間は見ないなど“窓”を作ると楽になります。自分を責めず、止められない状態が続くなら受診・相談も検討してください。家族とルールを共有するのも有効です。
  2. 子どもが地震を怖がって眠れません。どう声をかければ?
    A. まずは『怖かったね』と気持ちを受け止め、年齢に合わせて短く説明します。大人が速報を連続で見ない、寝る前は安心できるルーティン(絵本・音楽・照明を落とす)を。『一緒にできる備えを1つだけ』など、安心につながる行動も効果的です。強い不眠や登校しぶりが続くなら相談を。
  3. 受診はどの段階で考えればいい?
    A. 不安や不眠が2週間以上続く、仕事・家事・学業に支障、動悸や過呼吸が増える、飲酒や市販薬でしのぐ量が増える…などは受診の目安です。『今すぐ危険』でなくても相談して構いません。つらさの背景を整理し、無理の少ない対処を一緒に考えられます。早めほど楽になることがあります。
  4. 薬は必ず必要ですか?
    A. 症状や生活状況によって選択肢は変わります。まず睡眠・不安のパターン、体の症状、ストレス要因を整理し、生活調整や心理的アプローチだけで十分なこともあります。薬を使う場合も、必要性とメリット・注意点を話し合い、自己判断で増減しないことが大切です。