TOPへ

ブログ

非定型うつ病とは?典型的なうつ病・双極性障害との違いと正しい見分け方

うつ病

 

非定型うつ病とは?

非定型うつ病は、うつ病の一種ですが、一般的なうつ病とは症状の出方が異なるタイプです。特徴的なのは、気分反応性(楽しいことがあると一時的に気分が明るくなる)や、過眠・過食、鉛のような重だるさ(鉛様麻痺)、そして人間関係への過敏さなどです。

若年層や女性に多く見られ、慢性的に続くこともあるため、本人も周囲も「ただの甘え」「気分のムラ」と誤解してしまうことがあります。正しい理解と対応がとても大切です。

典型的なうつ病(メランコリー型)との違い

メランコリー型うつ病では、快楽消失(何をしても楽しくない)早朝に特に症状が重くなる日内変動食欲不振・体重減少が典型です。逆に、非定型うつ病では過眠・過食が目立ち、午前中より午後に気分が落ち込むこともあります。

同じ「うつ病」という診断でも、症状や対処のしかたが大きく異なるため、タイプに応じた対応が必要です。

双極性障害との見分け方

非定型うつ病は、双極性障害(躁うつ病)と間違われやすい面もあります。双極性障害では、うつ状態だけでなく、気分が異常に高揚する躁状態を経験する点が大きな違いです。

また、抗うつ薬を使ったことで気分が一気に高揚する「躁転」が起きた場合は、双極性の可能性が疑われます。家族に双極性障害の方がいる場合や、気分の波が大きい場合も注意が必要です。

治療と対応のポイント

非定型うつ病では、抗うつ薬に加えて、心理療法(認知行動療法や対人関係療法など)が有効です。また、体のだるさや生活リズムの乱れに対応するため、生活習慣の見直しやサポートも重要です。

双極性障害では、抗うつ薬だけではなく、気分安定薬や抗精神病薬が中心になります。タイプを見極めた上で、適切な薬や心理的支援を選ぶことが大切です。

主な違いの比較表

項目 非定型うつ病 メランコリー型うつ病 双極性障害(うつ相)
気分反応性 あり なし 乏しいことが多い
睡眠 過眠 早朝覚醒 過眠または不眠
食欲 増える(過食) 減る(食欲不振) 変動あり
主な特徴 倦怠感、対人過敏 快楽消失、罪悪感 気分の波、躁の既往
発症年齢 10〜30代 30〜50代 10代後半〜20代
治療 抗うつ薬、心理療法など 抗うつ薬、休養、ECTなど 気分安定薬、抗精神病薬中心

まとめ

非定型うつ病は、気分反応性や過眠・過食などが目立つタイプのうつ病で、従来のうつ病や双極性障害と見分けがつきにくいことがあります。

本人が「うつ病ではないのでは?」「なまけているのでは?」と思い悩むこともありますが、れっきとした病気です。症状のパターンや経過を丁寧に確認し、適切な治療と支援を受けることが回復の第一歩です。